「烏丸! 同じ妖の気を辿り、依り巫女の身に移れ!」
そはや丸が叫んだ瞬間、押さえつけられている右丸が、びくんと震えた。
何度か嘔吐(えず)くように大きく背中が波打った後、右丸は大きく口を開く。
苦しげに顔を歪め、仰け反ろうとする右丸を、そはや丸は無慈悲に押さえつけ、女官の口に右丸の口を押しつけた。
傍から見たら、まるで右丸が女官を喰らっているようだ。
『んしょ、んしょ』
烏丸の声がだんだん大きくなり、右丸の痙攣が酷くなる。
「・・・・・・上手くいかねぇな。おい烏丸。道は見えてるか?」
女官に覆い被さったまま痙攣を続ける右丸に、そはや丸は苛立ちながら声をかけた。
『う~ん・・・・・・、うっすらと。うう、でもなかなか進めないの。右丸、苦しんでるね。早く出なくちゃ・・・・・・』
「右丸なんざ、どうでもいい。焦ってしくじる方が厄介だぜ」
『そはや丸は冷たいなぁ。右丸は良い子なのよ。ちょっと奥手だけど』
「じゃあ、その良い子の右丸のためにも、さっさと出て来い。何をぐずぐずしてるんだ」
皆が皆、右丸は良い子だと言う。
思い返してみれば、右丸を悪く言う者はいない。
確かに良い奴なのだろう。
だが、やはりそはや丸は憮然とした表情になった。
『ねぇそはや丸。そはや丸は強い妖力があるでしょ。なのに何で、今はこんなちょびっとの妖力しか見えないのかしら。抑えてるの?』
「俺の妖力なんざ、そのまま使えばえらいことになるぜ。俺が直接お前を引き出したら、右丸から出た瞬間に、お前は俺に取り込まれるしな」
ひぇ、と烏丸が息を呑んだ。
そはや丸が叫んだ瞬間、押さえつけられている右丸が、びくんと震えた。
何度か嘔吐(えず)くように大きく背中が波打った後、右丸は大きく口を開く。
苦しげに顔を歪め、仰け反ろうとする右丸を、そはや丸は無慈悲に押さえつけ、女官の口に右丸の口を押しつけた。
傍から見たら、まるで右丸が女官を喰らっているようだ。
『んしょ、んしょ』
烏丸の声がだんだん大きくなり、右丸の痙攣が酷くなる。
「・・・・・・上手くいかねぇな。おい烏丸。道は見えてるか?」
女官に覆い被さったまま痙攣を続ける右丸に、そはや丸は苛立ちながら声をかけた。
『う~ん・・・・・・、うっすらと。うう、でもなかなか進めないの。右丸、苦しんでるね。早く出なくちゃ・・・・・・』
「右丸なんざ、どうでもいい。焦ってしくじる方が厄介だぜ」
『そはや丸は冷たいなぁ。右丸は良い子なのよ。ちょっと奥手だけど』
「じゃあ、その良い子の右丸のためにも、さっさと出て来い。何をぐずぐずしてるんだ」
皆が皆、右丸は良い子だと言う。
思い返してみれば、右丸を悪く言う者はいない。
確かに良い奴なのだろう。
だが、やはりそはや丸は憮然とした表情になった。
『ねぇそはや丸。そはや丸は強い妖力があるでしょ。なのに何で、今はこんなちょびっとの妖力しか見えないのかしら。抑えてるの?』
「俺の妖力なんざ、そのまま使えばえらいことになるぜ。俺が直接お前を引き出したら、右丸から出た瞬間に、お前は俺に取り込まれるしな」
ひぇ、と烏丸が息を呑んだ。


