「・・・・・・では、こちらへ」
呉羽は、くるりと背を向けた。
後に、女官が続く気配がする。
だが、その他の足音はしない。
皆、蓮台野に足を踏み入れるのを躊躇っているのだ。
無理もなかろう。
ここはまだ入り口だが、奥に行くほど葬送の地ならではのモノが増えるのだ。
普通の者なら、好きこのんで中まで入る気になどならない。
そう考えると、女官が躊躇いなく呉羽の後に続くのは、意外と言えた。
しばらく歩いてから、ちら、と呉羽は後ろを見た。
「情けないですな。供なしですか」
後ろを向くと、女官とばっちり目が合う。
下手に下を向くと、見たくないものが見えるので、とりあえず目の前の呉羽に視線を合わせているのだろう。
「仕方ありません。わたくしだって、できることならこのようなところに、足を踏み入れたくはありません。でも・・・・・・確かに情けないですわね」
ふ、と女官は、一つ息をついた。
女官自身、雑色が誰一人としてついてこなかったのには呆れたようだ。
呉羽は、くるりと背を向けた。
後に、女官が続く気配がする。
だが、その他の足音はしない。
皆、蓮台野に足を踏み入れるのを躊躇っているのだ。
無理もなかろう。
ここはまだ入り口だが、奥に行くほど葬送の地ならではのモノが増えるのだ。
普通の者なら、好きこのんで中まで入る気になどならない。
そう考えると、女官が躊躇いなく呉羽の後に続くのは、意外と言えた。
しばらく歩いてから、ちら、と呉羽は後ろを見た。
「情けないですな。供なしですか」
後ろを向くと、女官とばっちり目が合う。
下手に下を向くと、見たくないものが見えるので、とりあえず目の前の呉羽に視線を合わせているのだろう。
「仕方ありません。わたくしだって、できることならこのようなところに、足を踏み入れたくはありません。でも・・・・・・確かに情けないですわね」
ふ、と女官は、一つ息をついた。
女官自身、雑色が誰一人としてついてこなかったのには呆れたようだ。


