あまりにも作品の数が増えていったので、周囲の人達にあげることにしました。

少女の作品は好評で、特に少女自身が染めた編み物は評判が良かったです。

特に紅色の編み物は色が鮮やかで、欲しがる人々が増えていきました。

しかし紅色の染色の元が、最近は手に入りにくいのだと少女は苦笑しながら言いました。

山で採れる植物には限界があり、通販で手に入る染色も数に限りがあったのです。

虫を煮て作る染料も限界があり、そんなに簡単には作れないのだと説明しました。

ところがそれを聞いて、欲しがる人々は増えてしまいました。

手に入りにくいと聞くと、欲しがってしまうのが人間のサガです。

少女は仕方なく、赤い染色を続けました。

そして編み、完成した物をプレゼントし、喜ばれていきました。

大勢の人に求められ、喜ばれることを、少女は心の中では嬉しく感じていました。

ところが頑張り過ぎたせいか、少女はみるみる痩せていき、顔色も悪くなりました。