しかし周囲の人からは気味悪がられてしまうので、植物中心に染物を続けていました。

幸い少女の近所には小高い山がいくつかあり、植物が豊富にありました。

少女はそこへよく、1人で材料を採りに行っていました。

ところがある日、警察の人から呼び止められました。

何でもここ最近、行方不明になる人や動物が多いらしいのです。

夜中に1人で出歩いていた人や、外で飼っていたペットなどが失踪してしまう事件が立て続けに起こっていると言うのです。

物騒なので、1人ではあまり出歩かないようにと言われました。

少女は頷いたものの、それでも材料は欲しかったのです。

少女は山の中で空き小屋を見つけ、そこで染物をしていました。

しかし警察の人の目もあることから、昼と夜に分けて行くことにしました。

昼間はまだ人気の多い時に行って、陽が沈む前には家に帰ります。

そして深夜、こっそりとまた小屋へと向かい、作業を続けました。

そのかいあり、少女の染物の腕はプロ級になりました。

染めた毛糸で編み物をし、作品を作り上げていきました。