「ねぇ、ユリは忘れちゃったみたいだから、」 「……え?」 「もう一度言うよ。俺、何度忘れても、何度でも言う」 顔を上げた私に、浩平は言った。 「ユリ。ずっと、俺のそばにいてください」 頬を撫でて涙を拭った手のひらは、なぜかとても懐かしいもののような気がした。