「あ、おはよう」 俺に気付いた成海さんが何事もなかったように笑った。 「おはよう」 近づいていつもの場所に立つ。 俺たちの他には誰もいないこのバス停。 …だけど今日は何だか、2人きりの気がしない。 さっきの男がここにいる気がしてしまう。 「ねぇ、今の誰?」 胸のざわつきを抑え、きいてみた。 「えっ…」 成海さんは大きく目を開いて振り返る。 「………」 目を泳がせて黙り込んでしまった。 …あ… きいてはいけなかったか…? しまった…