「ありがとうございましたー」 声をかけてくれた運転手さんに会釈をしてバスを降りた。 一緒に乗っていた男の人も、先にこのバス停に降りていた。 潮の香りがする。 案の定目の前には大きく広がる海岸。 海水浴客がたくさんいる。 …どうしよう… こんな所で1人、制服姿でうろうろしていられない… 寝過ごして全く知らない土地に踏み込んでしまった自分に絶望。 引っ越してきて早々、何やってるんだろ… 目の前の視界がじんわりと滲んできた。