天神学園職員室。

「…………」

生徒指導の李 龍娘(り ろんにゃん)が、世界史教師のしまじろうが、古文教師が、毒舌教師が、日本史教師の兆志が、体育教師の奥方と嫁馬鹿が。

何とも言えない空気の中でデスクに座っている。

そんな中、素知らぬ顔をしているのは一人だけ…というか段ボール箱で顔は見えないが。

「そろそろ授業の時間ですね、はい」

スックと立ち上がる鈴木さん。

「おい嫁馬鹿」

龍娘がヒソヒソと話しかける。

「あの箱がお前の屋敷の居候というのは本当か?」

「……」

無言のまま、眉をピクピクさせる嫁馬鹿。

その動きが、剣豪の激昂ぶりを表している。

「あんな変質者を居候させるとは何を考えている?お前は奥方の身が心配ではないのか?」

「……俺があの愛媛みかんをただ黙って居候させていると思うか…?」