同じクラスの藤澤郁(ふじさわ いく)
彼は学校1の不良であり、黒い噂が絶えない問題児。
シルバーに染められた髪、耳に開けられた何個もの穴
初めて見たときは、さすがに怯んだ。恐怖さえ覚えた。
だけど、あまり警戒心を持たなかったのは藤澤郁は私の友達、優枝(ゆえ)の彼氏だったから。
『ありがとう』
おずおず手を前にだし、差し出された私のスケジュール帳を受け取る。
無駄に緊張したのは、藤澤郁が私の顔をずっと見つめていたから。
『どーいたしまして』
__ドクンッ
風が私の髪を撫でる。
引き込まれそうになった、藤澤郁の笑顔に一瞬で惹かれた。
ダメなのに
やっとできた、友達を失いたくないのに……。
想いは溢れ出す。
あなたが、好き……___。

