「俺、こいつが好きだ……」 え…… 「は?……何言ってんの?」 「ごめん……。」 額にうっすら血を滲ませながら、力強い目で優枝を見た。 「最初は軽い気持ちだった。でも……アンナが好きなんだ」 「うそ……」 うれしいのに うれしいから ……郁、涙が止まらないよ。 私は郁の首に腕を回し、抱きついた。 「……好き」 やっと、どうどうと言える。 「~っ!知らない、もういい!!」 優枝は顔を真っ赤にして図書室から出て行った。 誰もいない、いつもの図書室。 でも、いつもと違う空気が2人を包んだ。