「あの……っ」 微笑んで待っててくれる有明君と、バッチリ目が合った。 その瞬間に、頭の中で考えていたことが吹っ飛んだ。 「す……鈴木です!」 時すでに遅し。 あたし、何て言った? 頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなって……言っちゃった。 鈴木です!って。 「え、鈴木さんだっけ?」 当然、有明君はポカンとした顔であたしを見る。 「あ、えっと……、姫仲です……」 「だよね(笑)」 あーっ、もう! 言っちゃえ!