「いーずみっ」




パシッ、と背中を叩かれる。


振り返ると、そこには仲間の金澤 蓮斗がいて。ああ、いつもの朝だと実感させられる。




「……おぅ」




小さく返事を返し、空を見上げる。


今日は、怖いくらいの晴天だった。何だか今日は何か起こりそうな、雲一つない真っ青な空。




「泉ー?」




遠くから蓮斗の声が聞こえ、ハッと我に返る。

異常な位青い空から視線を外し、ふと時計に目をやった。


“8:35”




「…あ。やべ、遅刻…」




遠くにいる蓮斗が早くしろ、と焦っている。


真面目?
そんなんじゃない。

只担任がめんどくさいだけだ。



急いで教室に向かおうと蓮斗を見ると、既に蓮斗の姿はなかった。