花咲く原石

その人は下にいた。

「リト!」

上から降ってくる声に自然と反応してリトは振り向いた。

声の主を見つけて少し驚いたようだ。

「シイラ?」

「リト、あの…。」

「待ってろ、すぐに行く。」

シイラの言葉を遮り、リトは声をあげた。

その優しい笑顔に胸が高なって何も言えなくなる。

言葉通り、リトは近くにある木を素早く登ってシイラのもとに現れた。

「どうした、眠れないのか?」

心配するような仕草に何故か安心の笑みがこぼれる。

「本当にすぐだ。」

「すぐって言ったろ?」

得意げに笑うリトに誘われ、シイラは声を出して笑った。

リトはそのままシイラが口を開くのを微笑んで待つことにした。

シイラは何か伝えたいことがあるのだと感じ取っていたから。

「まだ、ちゃんとお礼を言っていなくて。ありがとう、私たちを招待してくれて。本当に助かった。」