私は何とかして 助けを呼ぼうとした。 「はぁ、はぁ。誰かたすけ...」 でも、うまく喋れない。 無残にも弘樹の 足からは骨があらわになっていた。 これがことの重大さを 物語っている。 「弘樹!!弘樹!!」 何度も呼んでも 反応はなかった。 「お兄ちゃん!!」 凛ちゃんも叫ぶが 弘樹には届くわけがない。 私は何もできなかった。 ちがう。 何もしなかったんだ。