___________* 凛ちゃんの話は大半が 弘樹に対する 愚痴だった。 私は笑いながら受け流した。 「その風船どうしたの?」 私は目に付いた風船を 指差した。 「あ。これ? この風船は近所の薬局で もらったの。」 そう言って彼女は 風船をぐるぐるまわした。 「「あっ」」 二人があっと言った瞬間 夕暮れの空に風船はぷかぷかと浮いた。 その瞬間凛ちゃんは 風船を追いかけて 道路に飛び出してしまった。