「紘哉ー、シャラオが呼んで……」 顔を出した恵一が固まる。 それと同時に、紘哉の動きも止まった。 壊れた人形のように、ガタガタと振り向く。 「紘哉……」 「……」 「うん!」 一人だけ場違いな返事をするヱリキ足り娘。 何とも言えない沈黙。 そして。 「お前えええぇぇぇ!!」 恵一の悔しそうな叫び声が寮に響き渡った。