「分かんないよ」 『もっと奥深くだよ。こっちにおいで』 ゆらりと一瞬だけ女の子の影が見える。 姿を見た羽兎は少し嬉しくなり、夢中で女の子の後を追いかけた。 どんどん深くまで潜っていく。 太陽の光など届かなくなるような所まで。 「待って!」 『もう少し……もう少し……』 女の子の声がだんだんと大きくなっていく。