羽兎は海を泳いでいた。 不思議と息はできる。 色とりどりの魚が泳いでいる青い海。 そんな魚や、上から差し込んでくる太陽の光に目を奪われていた。 『羽兎ちゃん、もっとこっちにおいでよ』 どこからか聞こえてくる女の子の声。 羽兎は招かれるままに、声のする方へ泳いでいった。 「どこにいるの?」 『こっちだよ』 クスクスと笑い声が聞こえる。 まるで、かくれんぼをしているような気分だ。