塔の階段を駆ける。 等間隔で設置されている小窓から、月明かりが差し込む。 やがて、夏紀が寝ている部屋の前へ着いた。 「開かずの間なんて……」 「紘哉!隣だ!」 「隣……?」 興奮して壁を指す恵一。 紘哉は怪訝な顔をし、彼の指の差す方を見た。 暗くてよく見えない。 しかし、わずかながら隣の壁と色が違っていた。 「開けるぞ」 ドアに手を伸ばす紘哉。 厚みを持ったドアは、重そうにゆっくりと開いた。