『山田サンって覚えてますよね? そこから冬也の面が割れると思って、昨日美月サンに連絡とったんスよ』 「美月って元ホストの?」 『他にどの美月サンがいるって言うんスか?』 美月――山田が営業していたホストクラブの従業員だった。 今は彼から権利書をもらい、居酒屋のオーナーとして働いている。 『山田サンの部屋、隈無く調べてもらいました。 やっぱり、黒蜜会の事だけあって冬也に関しては、何も見付かりませんでした』