「もうっ!ヒロくんたらぁ!照れ屋さんなんだから!」 「……」 紘哉からの視線が痛い。 何とも言えない空気が二人を包む。 「紘哉、頑張って。応援する事しかできないけど」 やがて耐えられなくなったのか、紘実がか細い声で呟いた。 紘哉は彼女を一瞥すると、同じように小さく言う。 「あぁ……ありがとう、姉さん」 そして、彼は紘実の部屋を後にした。