「……、一つ分かった。あんたの言葉は話し半分で聞くのがいいらしい」 「願いながら歩けばいいってことでしょ」 ならば話が早い、というものだ。 それがヴェンスの冗談にしても、話し半分でしか理解できない人に訪ねるのが愚かというもの。 肩紐をかけて、出ようとする双子。 「さようなら、変わり者双子」 「「さようなら、イカれ帽子屋」」 見向きもしない挨拶を残し、扉がパタリと閉まったのだった。