「っ、と、ともかくも、この目障りな偽物を処分するぞ」
人の頭を蹴ったとは思えない照れた表情をして、左桜はまだ残っている偽物たちを切りつけた。
無抵抗らしく簡単に切れる。ケーキ用のカッティングナイフでできる寸断ではないが、“左桜が切りたいと思えば”簡単にできた。
「香我美、あんな偽物ムカつくよね。香我美は綺麗だから真似したいのだろうけど、香我美じゃないから気持ち悪い。ああ、いっそ――」
バラバラになればいいのに。
思った瞬間にそれは現実になる。体内の爆発物が着火でもしたか、見事な木っ端微塵が見れた。
一気に余すことなく全部、飛沫する肉片を浴びて汚いと思えば消えてくれる。


