「「かが、み……っ」」
二者の驚きを確立した恋人だった。
椅子を立ち上がるまでに動揺し、目を見開く双子。
「なん……っ」
「どうし、て……」
反応に困るも、その様子からヴェンスがあれは彼らの恋人かと知る。
「アリスの偽物にもなりやしない規格外と思ったが、どうやらそれは見た目だけなようだ」
事の次第の理解者は、ショートケーキをカッティングし始めた。
「死んだものでもそこにいる。君らどちらかが願えば、あり得ないことがあり得ないと世界が変わる。
アリスだけの特権でも、たまに世界は勘違いするんだ。あれは頭が弱いから。見た目がそんなに違うのに、似ているとなると中身。ああ、確かに似ているかも。頭のネジが何本か外れていて――」


