「まさかと思ったけど、やはり君らは“部外者”なんだね」
神妙な面持ちには何を返していいか分からなかった。それとて帽子の男は承知か、分かるように説明した。
「ここはね、ワンダーランドという私たちの世界なんだ。君たちのではない。だから、ここに来れる外の者は限られているんだよ」
「……」
説明されても理解不能なことに双子は目を見合わせた。アイコンタクトもそこそこに、道が聞けるまで付き合うことにする。
「この世界に招かれるのはアリスだけだ。アリスは特別だから、僕たちが待ち続け探す“失われた存在”だから。アリス以外がここに招かれるわけもない。
時折、三月(ビツェ)がアリスだと少女を連れてきたことはあるが、どれもが偽物だった。まさかと思うが、君たちは誰かに連れてこられたのかい?」


