室内でも帽子を目深にかぶった男。金髪で翠玉(エメラルド)の片目だけが品定めするように双子を見た。
「出なくて悪かったね。女王の配下だと思った。あれらは言葉を覚えたてのオウムよりもうるさく煩わしいから相手したくなかったんだ」
返事をしなかった旨を、帽子の男が紅茶をすすりながら言った。
ティータイムを満喫するには相応しい相貌にしても、少々、行きすぎる。
広間と思しき、この場には大きなテーブルがあり。その上にはショートケーキ、チョコケーキ、タルトで言えば種類が三つ、様々なデザートが置かれ、何故か誰もいない席の前にカップがあった。
これから盛大なパーティーでもやるのか。しかして男の怠慢的な態度からは、後に楽しいパーティーがあるとも思えない。


