「…ねぇ」
「ん?」
「俺、やっぱり反対だ。」
「あぁ、俺もだ」
ブランコが揺れる度に、錆が軋み、音を立てる
ぐらぐら、ぐらぐら、動くたびに揺れる
「すげー雨葉が心配なんだけど。やべー俺ももしかしたら母性本能に目覚めちゃったのかも」
「…へぇ」
「なにその目。俺が嘘ついてるとでも思ってるの?」
「いや、そういう訳じゃ」
「まぁ嘘なんだけど」
「っ!?」
俺がそういうと、晃はすごい速さでこっちを向く
わお、風が吹いた
「でも、心配してるのは本当」
「あぁ、確かにな。俺も心配だ」
ブランコを止めた
もう音はしない



