入れ入れ入れ。 私は組んだ手に力を込めて祈った。 しかし、レフトに向かって伸びる打球は、ホームランになるには高さと飛距離が足りない。 私は組んだ手に更に力を入れた。指が痛い。 そして目を固く閉じる。 もう祈りというよりある種の呪いのように心の中で繰り返す。 落とせ落とせ落とせ。