あぁ…また夢を見てる…


体が闇の中に浮いては沈みを繰り返す。


―タ・ス・ケ・テ…


誰かの声なき声が聞こえた気がした。


―コワシタクナド…ナカッタノダ……


あなた…誰なの……?
冷たい…静かな威厳のある声…


―アイシテイタ…タイセツダッタ…


泣いてるの……?
何で…そんな悲しそうなの…?


―ワタシノセイダ…オマエヲクルワセ…


―ミズカラモクルッタ…


…あなたは……
大魔女リリス………?


これは…ワルプルギスにあてた言葉…


―アァ…モウモドレナイ…


もっと強ければ……


―ワタシがヨワイバカリニ…


…大切だったんだ…
愛していただけだった。


だから迷った…戸惑った。


―アァ…マタシズンデイク…


待って!!
行っては駄目!!


今私が手を伸ばした所で、これは夢にすぎないから意味無いのかもしれない。


それでも………


孤独になってしまったこの人を…


この人を救ってあげたい…そう思った。


あぁ…どうして私の手は彼女に届かないんだろう。


私は………無力だ……