「あなたは誰?」

私は男の目を見たまま答える。

「俺は風魔一族当主・火焔宗匠(かえん・そうしょう)だ。」

「私は舞桜蝶よ。」

「俺は今日はお前を殺しに来たのだ。風魔の当主が負けてばかりはいられないからな。」

「私はそう簡単に死なないわよ?」

そっと刀に手をかける。

この男、たぶん私と同じで霊力がある。

使うのは炎?

私は冷静にそんなことを考えていた。

最近私は治癒の力のほかに潜在的な霊力が目覚めてきた。

お母様が以前言っていたことを思い出す。