「とーちゃく!」
「残念ながら3秒オーバー。
罰としてお前がチャリこげ。」
「はぁ?レディーに向かって何言ってんの?
しかもたった3秒でしょ!
あと、いつも和菓子持ってこいで、
あたしだってくぉ…ごほん、紅茶飲みたいわ!」
息が切れ切れだけど、今までの不満をぶちまけた。
途中で噛んじゃったけど…
「いいからお前がこげ。
遅れて来てまでただで助けるとは言ってねぇーしな。
しかも、噛んでるし、お前がレディーってウケる」
「………」
‥‥‥‥‥‥
キーンコーンカーンコーン
―ガラッ
教室にチャイムと同時に滑り込む。
担任が来ていなければ、まだ遅刻ではないはず。
「間に合った?」
『ギリセーフ!』
やった!
無遅刻記録また更新!
「あずき、おはよー!」
「おっはよー磨奈!」
あたしの席の斜め右前に座っている磨奈は黒髪のショートで、背も高い。
可愛いし…
「はよ、じぃ。」
「おはようございます。優斗坊っちゃん。」
磨奈の右隣に啓くん。
その前が優斗。
ぷぷッ。
この2人っていいコンビ。
見てて飽きない。


