ドタドタドタ


「おっはよー!!」

「「おはようあずき。」」


勢いよく階段を降りると
今日もあまーい香りが…


「いっただきー!!」

目の前の甘い香りの原因のものを1つ口に放り込む。

んー
おいしぃ。


「こらっ!」


「ふは!ふぁれた?(あは!ばれた?)」

「もう。食べちゃったのね。
お店に出すものなんだから。」

「ふぁーい。」


お店とはあたしの家、和菓子屋なんです。


おかげで和菓子が毎日食べれちゃうんだよねぇ。
幸せだねぇあたしは…


「ほらっ!もう学校の時間でしょ。」

「ほーい。」


ドタドタドタッ

またさっきと同じように勢いよく階段のを登る。

下に降りていく時に荷物持ってけば良かったな。

だから、部屋に荷物を取りに戻ってこなくちゃいけなくなったんだよね…


「はぁ…疲れた。」

一気に階段を登ったため、息が切れている。


部屋に入り、ふと壁にかかっている時計を見ると
長い針が6を指している。


「えっと、8:30?」


やばーい!!
8:40には着かないといけないのに!


と思ったけど最悪…。



自転車パンクしてるんだった。

あーあ、もう間に合わないよ…


―コンコン


音がしたのは窓の方。

見るとベランダに優斗がいた。


「何?まだいたの?」

「うーん…。いたってか待ってた?」


優斗はあたしから目をそらしながらボソッと言った。

待ってた?