「いっちゃ~ん?早くぅ。行こーよ。」
甘ったるい声が聞こえる。
もしかして?
「今行くよ。」
「何、いつ兄また新しい彼女?」
「おぉ。遥(はるか)って言うんだ。」
「一樹兄ちゃん、
あんまりコロコロ変えてちゃ可哀想ですよ。」
うんうん。
たまには優斗もまともな事言うんだな。(笑)
「俺の事はいーだろ。
優斗、お前は好きなヤツとかいねーの?」
いつ兄…
あなた、お年頃の少年に何聞いてるんだ。
「……いや、俺は「いっちゃん、まだぁ?」
「今、行くって。はぁ…疲れるな。
まぁ行ってくるわ。あずきを襲うんじゃねぇーぞ。」
「大丈夫ですから。さよなら。」
「何てこと言ってるのよ!!(怒)
いつ兄、行ってらっしゃいっ!」
古典的ですけど、あたしの怒ると言ったら、
ほっぺを膨らませます。
「怒った顔も可愛いぞ☆」
「!?!?!?へ、へんたーい!!!」
忘れてたけど、いつ兄はシスコンでした。
「もーいいでしょ。早く帰んなよ。」
「いーじゃん。わざわざ起こしに行ってやったんだからさ。」
はぁ…
どこまでマイペースなんだ…優斗様は。
ってかいつまでわざわざ起こしに行ってやったんだから作戦を続けるのか…
結局優斗は、中上家が晩御飯になるまで帰らなかったのは言うまでもありません…。