「いーやーだー。またそのうち、気がむいたらな。さぁてと、帰るか。」
え…
あたしのこの努力は…
って言おうとしたら、もう勇斗は公園の入り口付近に…
「もぉ!何でさっ!!」
あたしはいじけて、わざとゆっくり歩いた。
だけど、勇斗との距離は一向にあかない。
ってか逆に近づいてる?
「早く来いよ。おっせーな。ん。」
と、あたしの目の前に勇斗の手が。
「ん、って勇斗何にも持ってないじゃん。」
「……バカだ。」
バカだぁ?
何やねコイツ。
あたしはバカだけどバカじゃないやい!!
「ったくさ…」
突然、手を引かれた。
ようするに、手を繋がれてる。
夕日に照らされて、あたしたちの影が足元に写されてる。
それは、手を繋いでる影で。
その影は、家に着くまで離れる事はなかった。


