磨奈の家から、自転車で7~8分。
だから、意外と早い。
「あれってゆうりさん?」
家に帰る時、優斗の家の前を通る。
そして今見たのは、玄関前にいた優斗とゆうりさん。
2人は家の中に入ってった。
=隣の部屋に居るって事だよね。
あたし今、涙腺崩壊中だからヤバいかも…
「あずき、暇だったらお店手伝ってくれない?」
「いーよ。」
こんなに空はスッキリして青空なのに、あたしの気分は見事なほどに曇り空。
でも店番すれば、少しは明るくなるよね?
「いらっしゃいま……叶夢君?」
「うん。まさかここで会えるなんてね(笑)」
ニコッと笑いながらお店に入ってくる。
あきらかに洋風boyがまさか和菓子店に来るなんて。
「あずきの彼氏かい?(笑)部屋に上がってもらいなさいな!」
えぇ!!!!
彼氏でもない人を部屋に上げるの?!?!
優斗は入ってくるけどさ…
「ほらほら。あなた名前は?」
「叶夢って言います。」
「叶夢君ね。ほら上がって!あずき、部屋に案内してあげな!」
まったく…
なんて強引なんだろうか。
あたしの母は。


