三か月間だけの幸福

「はぁ、はぁ…!」

『あたし』は走っていました。

向かう先は最初に占ってもらった、あのタロットカードの男性の元です。

平日の朝ならば、まだお客も少ないはずだという考えは、当たっていました。

ビルが開いて、すぐに男性の所へ向かいます。

人はまだ占い師達しかおらず、お客はいません。

『あたし』が店の中に飛び込むと、男性は神妙な表情で頷きました。

「いらっしゃると思っていましたよ」

「っ!?」

『あたし』はたまらず駆け寄り、彼の両腕を掴みました。

「あのコが…死んだの。どうして? 三か月間は幸せだって、言ってたじゃない。あなただけじゃない、他の占い師達だって口をそろえて言ってたのに…!」

瞼を閉じると浮かぶ、彼女の幸せそうな笑顔。

それが一瞬にして失われたなんて、信じたくはなかった。

「…他の占い師の方々も、私と同じことを言ったんですね」

彼は『あたし』を落ち着かせようと、肩に手を置いた。