次に彼女の番でした。

しかし新たにタロットカードを使う彼の表情が、一瞬暗くなったのを見ました。

でもそれはすぐ一瞬のことで、すぐに彼は笑顔になり、こう言いました。

「あなたはこれから三か月間、とても幸福になれるでしょう」

「ホントですか!?」

彼の言葉に、彼女はとても喜びました。

「ええ。人生の幸せを全て凝縮したような、夢のような三か月間を過ごすでしょう」

「やったー!」

無邪気に喜ぶ彼女でしたが、『あたし』は占い師の彼が浮かべた暗い表情が気になりました。

しかしわざわざ彼女の喜びに水を差すことは躊躇われ、その場は黙っていることにしました。

料金を払い、『あたし』達は出ました。

「ねぇ、さっきの占いだけど…何かウマ過ぎない?」

「そお? ならもう一軒ぐらい、行ってみる?」

彼女はすっかり上機嫌で浮かれていました。

占いの料金は高校生ということもあり、安く済みます。