ほどなく順番は回ってきました。

『あたし』と彼女は二人で中に入りました。

「いらっしゃい」

占い師は穏やかな雰囲気の男性でした。

まだ三十代ぐらいに見えましたが、彼のまとう空気がとても清らかに感じられました。

『あたし』達は彼の向かいのイスに座るように言われ、腰を下ろしました。

「さて、お二人は今日はどのようなことを占ってほしいですか?」

「えっと、あたしはこれからの運勢のことを」

「アタシも一緒です」

「分かりました。では先にこちらのお嬢さんから占いますね」

その後、彼はタロットカードを使い、『あたし』の悩みを次々と明らかにしていきました。

どうやら占いの腕は本物みたいでした。

口コミで広がったウワサだったので、半信半疑でしたが、本当にびっくりするほど当たっていました。

彼は最後に、平凡ながらも順調な生活を送れるだろうと言ってくれました。

大きな波は無いものの、平凡が一番だと言っていました。