「せな……「わたしは…………」」



沈黙を守っている瀬名さまに堪えきれなくなったわたくしは、口をあけます。


すると、瀬名さまはわたくしの言葉をさえぎり、話しはじめました。










「姫ちゃん、わたしはね……魔女一族の末裔なんだ」







トクン。




わたくしの心臓が大きく跳ねたのは、瀬名さまの思いもかけない言葉が耳に届いたから。





……え?



わたくしは瀬名さまの言葉が理解できず、ただただ目をパチパチと開けたり閉じたりを繰り返します。




「信じられないのも無理はない。


魔女なんて……この世に存在するようなものではないと一般的には考えられるだろうからね」




言う彼の表情は、悲しそうで……辛そうで…………。



自分のことを考えたのでしょうか。


自嘲気味にクスリ。と笑われました。






そのお姿がとても影を帯びておりました。