潤んだ視界から、雫がいくつもいくつも零れ落ちます。


その雫は魚のしっぽに当たって、跳ね……散っていく。




まるで……消えることのないわたくしの想いと同じように分散して――――。






「ふぅ……っ。



くぅぅ……………」



母なる海でさえも、わたくしの気持ちを癒してはくれないのです。




悲しみはいっそう強く。


そして、虚しさが冷たい風に乗ってわたくしの体をすり抜けます。



日が暮れていくまでずっと涙しました。





寄せては返す波の音を聞きながら――――。