「なになに?

どうしたの?

え?

無視?

無視されたの?」


なんてタイミングなのでしょう。


安藤 龍一(あんどう りゅういち)がやって来てしまいましたわ。


このわたくしが、こんなに胸を痛めている時に、よりによって!!


最悪ですわ!!




し・か・も。


しかもですのよ?

なんですの?


彼はもうひとりのわたくしの親友であるマリちゃんと手を繋いでの登場なのですわ!!



わたくしが、こうも悩んでいるというのに!!




「~~~~っく」


どこまで聞いていたのでしょう。


安藤 龍一の神出鬼没さは、家庭でいつも見る黒い物体なみではありませんこと?



「わたくし、無視などされておりません!!


少しばかり瀬名さまのお返事が単調だと、そう言っただけですわ!!」



前のめりになって、楽しそうにやって来た安藤 龍一を睨みつけます。





「それは無視の一歩手前だろう。


あ~とうとうお前も振られる時が来たんだな~」



むっきぃぃぃ!!


こいつ……安藤 龍一のくせに!!