「姫ちゃんの必要なものだけ持って家においで。


重いものはわたしが運ぶから」



そんなわたくしの態度に、瀬名さまは……クスリ。と、微笑まれました。


ああ……なんて素敵なのでしょう。


見惚れてしまいますわ～。





「……はい！！

はい！！


いいえ！！」


わたくしのお返事は嬉しさのあまり、うなずくか首を振るかのふたつにひとつというものになってしまいました。



きっと、おかしな子だと思われていることでしょう。



そう思って瀬名さまの顔を見上げれば…………。




彼の口元は弧を描き……目を細めて、わたくしを見つめておられます。


…………まるで…………とても愛おしいものでも見るかのように…………。






ねぇ、瀬名さま。


あなたは……あなたは………………。




本当にわたくしのことを近所に住む女の子としか思っておられないのですか？