あたしはベンチに座り、膝を抱えた。 その瞬間涙が溢れてきた。 怖かった。 椎名織斗が現れて、今の関係が壊れるんじゃないかって。 また前みたいな事が起こるんじゃないかって。 怖かった。 逃げ出したい。 だけど行く宛てもない。 助けて……。 助けてよ……。 これ以上、辛い思いさせないでよ…。 あたしは静かに涙を流す。