月の神は庭園の花を愛でるように、姫君の顔を両手で包み上を向かせました。


姫君は月の神の、魔力に満ちた瞳に魅入られました。


見る者を水底に引きずり込む夜の湖のような暗い緑色の瞳でした。


月の神は姫君に名を尋ねました。


「ルレアーレ=イエルでございます」