ある日、裕福な商人が、妾のためにわたしを買い求めた。


母はこれ以上ないくらい胸をはり、満足げな歌声でわたしを送り出した。


わたしは金の鳥かごに入れられ、贅沢にしつらえた部屋の窓辺に置かれた。


女主人はわたしを大切にした。


満ち足りた世話を受け、わたしの羽のつやは増し、声もふくよかになった。