「ね、重くない?」


細身だと思ってた恭ちゃんの背中は
意外にも、ちゃんとした
男の人の背中で


ちんちくりんなあたしには
広すぎるくらいだった


「へーきへーき!

てか、逆に咲ちゃん軽いわ!

ちゃんと食べてんの?」


「食べてますよ、モリモリと」


「ほんとー?(笑)

ならいいけど」







それからは暫く無言…


でも気まずくなんかない


優しい時間…




たまに、暖かい春の風が吹いて

恭ちゃんの茶色い髪がフワッて揺れて


その度にいい匂いがするの






春の風があたしのことを


おちょくってるみたいに


恭ちゃんの匂いが


あたしをドキドキさせる



心臓、持つかな…