「咲ちゃん、立てる?」
まだ座りこむあたしに
恭ちゃんは
はいって手を差し出して
あの笑顔で笑った
「うん、ありがと!」
足、捻ったかなぁ…
ズキズキする…
「咲ちゃん、無理してる
顔色悪いよ?」
う……
何でバレたの?
「大丈夫だって!
早くいかなきゃおいてかれちゃうし!」
隠さなきゃ、恭ちゃんにも
迷惑かけちゃう
「いいから、足みせて
てか、正直に言って
痛いでしょ?」
恭ちゃんの瞳が
いつになく真剣で
かっこよくて
吸い込まれそう…
それなのにどこか安心するの…
もう、ギブアップです…
ねぇ、恭ちゃんは不思議だね…
魔法使いなの…?
「うん…
ちょっと、痛い、かな」
あたし、恭ちゃんには
素直に甘えられるんだよ…?

