「…っいやあああああ!!」
やだやだやだやだ!
有り得ない!!
「ちょ…!咲ちゃん…!
そんなに暴れたら危な…っ」
恭ちゃんのそんな声は耳に届かず
大きな石に躓いて
ドテッ
って、いかにもな音を出して
あたしは綺麗に転んだ
「いったぁい……!」
「咲ちゃん、大丈夫!?」
「春木さん、ごめん!!
まさかカエルが逃げるとは!!」
さっきまでの元気は嘘だったかのように
彼が必死に謝るから
「いいよ、大丈夫!」
この野郎、お尻と足痛いわ
なんて思いつつも
あたし、許すしかないじゃん…
「まじごめんね!」
「ほんと大丈夫だから
気にしなくていいよ!」
ほんとは足、痛いんだけどな…
少し我慢しよう

