「嫌…。
恭ちゃんは、どんなことしたって
恭ちゃんでしかないんだよ
女グセ悪くたって
1人でもへーきって意地はったって
恭ちゃんはあたしの中で
優しい人なの
あたしにとっては
もう友達なんだよ!
…それに、あたし
そんな悲しい顔して笑う人
ほっとけない」
あたしの話を黙って聞いてた恭ちゃんは
静かに振り向いた
さっきよりかは色の戻った顔で
少し、安心した
「咲ちゃん、俺さ
可愛い、とか簡単に言えるし
女の子はみんな綺麗って思う。
嘘、だってつくかもしんないし
中途半端な男なんだ
そのくせ、ほんとは1人になりたくなくて
咲ちゃんが、俺を見捨てないって
ちょっと分かってて
あんなこと言った。
俺、最低なんだよ
咲ちゃんと、こんないい子と
一緒にいる資格なんか
ないよ」
「恭ちゃん…
やっと本音言ってくれた」
「…え?」
恭ちゃんは少しだけ目を見開いて
あたしにゆっくり目線をあわせた
「恭ちゃんは、やっぱり
いい人なんだよ
あたしのこと考えてくれてるじゃん
あたし、そんな恭ちゃんでもいいよ
みんなが離れていっても
あたしは恭ちゃんの友達でいるよ
話聞くし、味方もするよ
だから、そんなに無理しなくていいんだよ?
悲しい顔して笑わなくていいんだよ?」

