やっぱ近い方がいいしな。 『サンキュ。マジ助かる。えっと場所は・・・』 そいつはホッと安堵のため息をこぼした後、簡単に場所を教えた。 ここからそう時間がかからない場所だった。 「分かった、じゃあ行くわ」 『ありがと。今度会ったときなんか奢るな』 「ん、分かった。じゃあな」 『おう』 そうして電話を切る。 (ったく・・・、いきなりこんな頼み、今日だけだかんな) 俺は切った携帯をなかば諦め気味に閉じて見つめた後、鞄にしまった。